2009年05月31日
房作り〜房こき

巨峰の花は28日に開花し始めました。
葡萄の花で開花といっても小さい粒の一つでも開き始めたら開花宣言です。
大きい畑の中でも極一部で咲き始めますので分からないときは何日も分からないこともあります。
それでも、毎日見て回っているのでだいたいその日に分かりますけどね。
花が咲き始めるといよいよ待ったなしで次の作業、また次の作業と作業が目白押しな状態になります。
ようやく、今日の午前中で肩取りの作業が終わったので別の畑に移動して今度は房こきです。
房こきは房切りとも言われています。この地方独特の言い回しなのかもしれません。葡萄の房型が今日、掌にすっかり収まりぎゅっと締まったような円筒形の形をしている「握り房」というのが主流になっています。この形はこの坂城町を発祥としており、坂城でこの技術が生まれました。毎年、この時期になると他の産地から握る房にするための房こきを教えて貰いたいと大勢の農協関係者、県の技術員、農家の方々が訪れます。
技術的なことはこの坂城町が一歩も二歩も進んでいると自負しておりますし、そう思われています。
今日から始まった種なし巨峰の房こきは房尻を決められた大きさを残して房を扱きます。
この技術と摘粒の技術が合わさって「握り房」が出来上がります。
まだ房こきの作業が始まったばかりですが、これは数日中に終わらせて次のジベ処理に移らなければなりません。
忙しい毎日が続きます。
詳しくはホームページにて♪

2009年05月28日
品種更新

丁度、今は接ぎ木がしやすい時期です。
葡萄は開花1週間前から開花時期までの期間だと緑枝接ぎと休眠接ぎによる品種更新ができる期間です。この期間を過ぎてしまうと鞍接ぎしか手段はないです。最も鞍接ぎの場合はは春先か秋頃です。冬と夏は乾燥や気温の関係で継いでもなかなか付きにくいです。
今回は休眠接ぎといって前年の冬に剪定した枝を冷蔵庫などで眠らせておいた枝をこの時期に起こして新梢に継ぎます。
この方法だと付きやすいのと成長が比較的早いのです。
冷蔵庫に眠らせる方法は温度管理と湿度管理が重要になってくるので家庭で使っている冷蔵庫だと厳しいものがあります。
やはり、保冷庫のような市場やスーパーなどの蘇生庫などと呼ばれている冷蔵庫でないと管理しづらいです。
接ぎ木の技術はボクもまだまだ未熟なので殆ど父任せです。
父はこの辺が長年の経験からか100%成功しています。成功率は5〜8割だと言われている接ぎ木技術でも父は毎年継いだ枝は確実に芽吹かせています。一言凄いです!
ポイントは形成層と形成層を隙間無く合わせて継ぐ樹と継がれる芽の太さがほぼ同じことです。この2つの条件が揃えば付く確率がグンとアップします。
今年はシャインマスカットとナガノパープル、ブラックビート、天山、サニールージュを中心に接ぎ木して来年以降の収穫量アップを図ります。
特にシャインマスカットは収量が少ないためか、予約分でいっぱいとなります。唯一、この中でもナガノパープルは接ぎ木の効果があってか収量は毎年増えていますのでかなりの注文にも応えられます。
さあ、今年はどの品種が一番人気になるでしょう。
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2009年05月25日
肩取り真っ最中

ただ今、肩取り真っ最中です。
毎日毎日ルーティンワークのようです。
といっても房型など同じものは絶対にないですし、房型も勿論おなじものはありません。
そして樹勢も違いますから同じ作業でも微妙に違います。
やはり新梢の強弱によって房を残すかどうかも変わります。そしてどの房を使うかも変わります。こればっかりは現物を見ながらでないと説明しづらいのでブログでは詳細は省きます。
肩取りあたりに入ってくると作業の忙しさはピークに近付いてきます。そこでアグリサポーターやシルバー人材センターなどに派遣を要請するところが周りでちらほらと出てきます。
ウチも作業そのものは栽培面積が大規模な部類に入るので遅れがちです。なので派遣要請した方が良いのでしょうが、そこは自分たちの技術に誇りをもっているのと時間はかかっても自分たちの持てる技術の粋を投入して作ることに拘りを持っているのでアルバイトの類は一切いれません。ですので、自分たちの技術が全ての葡萄に行き渡っています。
変なところにポリシーを持っているので他のウチよりも時間はかかって何時までも同じ作業をやっていることが多いですがそれでも、収穫から剪定などの一通りの当果樹園の樹の成長をみていない人たちに最高のものは作れまいとたかくくっているのも事実です。
正しいか正しくないかは別として樹の成長を四季を通じてずっと見てきた自分たちだからこそ出来る作業というものを葡萄に投入していることに価値があると勝手に思い込んで明日も作業します。
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2009年05月21日
いよいよです。
アカシアの花が満開です。
よく、父が言うことですが「あそこのアカシアの花が満開になったら葡萄はそれから10日後に花が咲く」と。
あそこのアカシアとはウチの圃場の近くにある川の岸に自生しているアカシアのことを指しています。
亡くなった祖父から語り告げられていることでアカシアの花が咲いたら葡萄は肩取りを終わらせて房こきに入る手前までに作業を進めておかないと行けないらしいです。
実際は、間に合わなくて房こきは花が咲いている時期になったりします。それでも間違いは無いのですが祖父の理想ではアカシアの花が咲いてから葡萄の花が咲くまでの10日の間に肩取りを終わらせて葡萄の花が咲き始めている頃に房こきをやり始めるということです。
理想には近い形で作業は進めていますが葡萄の花が咲く前から房こきに入ることもしばしばです。それは祖父の頃よりも耕作地が増えているので咲いてから作業を始めたのでは間に合わなくなるのと今では葡萄が多種多様になってきて10日という目安が当てはまらない品種も出てきているからです。
それでも、祖父の指標は現在でも生きていてウチの作業工程は祖父の頃に完成されているのでそれに従っています。
おおまかな部分でですが・・・
やはり多種多様になってきている今では新しいことも少しは取り入れないと厳しいものがあります。
そういえば、アカシアの花が咲く頃には同じ葡萄でもデラウェアはジベ処理しないといけないと言っていました。既にウチでは作っていない品種ですがまさにその祖父の言っていた通りという成長になる品種ですね。
このようにまだまだ昔の言い伝えで作業をしていますが近代的な部分も勿論ありますので時代に遅れている訳ではないですよ。
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2009年05月18日
房作り作業〜肩取り

農繁期突入しています。
毎日毎日、朝5時頃より作業開始して働き蜂のように・・・
こうなってくると寝る間も惜しいくらい作業が目白押しです。
房作り作業の工程で今は芽かきが終わって肩取りです。
一般的に種なし巨峰の作業なので種有り比べて早めに進めていきます。種なしが既に農繁期ですが種有りだけの農家にとってはまだまだ農繁期ではないですね。
地域的なこともありますがウチの地域は今の時期、既に農繁期に突入です。葡萄に限らず、農作業は自分のペースで出来ると言ってもやはり植物任せのところが大きいです。作業しようと思っても育っていなかったら出来ませんからね。
この肩取りの作業は種有りの場合は早くやり過ぎると単為結果房の原因になりやすいので頃合いを見計らいながらなので教科書通りには作れません。
ですが、種なしの場合は教科書通りに作業が進められます。
種なしの肩取りの目安としては葉の枚数で判断できますから。
対して種有りの肩取りの目安は一概に葉の枚数だけではないので経験値がないと難しいですね。
肩取りの作業で大事なのは見極めです。切り捨てる房を目視で判断です。
残す方を房型が綺麗なものにします。ですが、どっちつかずの房型で判断が難しい場合は、人によりますがウチでは別の房も残し、一つの新梢で二つないし三つ残したりもします。
本来、こういったことはあまり宜しくないですがリスクを下げる為の苦肉の策です。
明日も朝が早いのでこの辺で失礼します。
農繁期に突入した今、ブログの更新が滞っていますがこの時期は御容赦下さい。
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2009年05月13日
そろそろ次の作業
ここ数日の夏のような陽気で葡萄も一気に生育が進み、展葉枚数が7枚と確認できる芽が多くなってきました。
ここまでくると芽かきの次の段階で肩取り作業になってきますが、まだまだ芽かきを終わらせていないのと、今日のニュースで見た天気予報での霜注意報・・・
芽かきを終了なんてとんでもないです!
霜の脅威がある以上、最終形に芽を揃えてしまうと大変なことになります。
それ以前に芽かきは未だ途中です。
しかし、今年は夏のような陽気がきたと思えば例年以下の気温がやってきて季節は逆戻りなんてことの繰り返しで作業も一気に進められない事情があります。
農業が俄然注目される風潮ですが興味本位やリストラがないだの、自分のペースで仕事出来るという甘い誘惑に騙されて?農業を志す方がいるようですが甘い誘惑でやると痛い思いをします。
ボクは31歳という年齢で家業の農業を継ぎ、現在に至ってますが、元々農地があってある程度の知識と経験があったため、割と恵まれた環境で農業をやっているためにそれほど金銭的に困ることなく生活できていますが、これが一から始めると、少なくとも2〜3年ほどは無収入で暮らせるだけの貯金がないと新規就農は厳しいと言わざるを得ません。跡を継いだボクですら収穫するまでの1年は無収入で貯金で暮らしたのですから一から始めるともっと苦しいでしょうね。
どの作物を栽培するかにもよりますが、農業は他の産業に比べて準備資金がかかると思います。この点が新規就農を目指している若者にあまり理解されていないですね。
また、行政の援助も思ったほどありません。相談しても足蹴にされることもしばしばです。行政としたら税金の取れない農業を手厚くするよりは税金が取れる他産業を厚遇する方が自分たちに見返りがあるので自ずと農家には冷たくなります。農家も米だけが行政の支援が受けられると思った方がいいでしょう。
果樹や野菜は行政の支援は殆ど受けられません。たまに支援はありますが米ほどありません。
きついことばかりかいていますが、それでも、苦労した分の喜びは格別です。収穫の喜びは農家ならではの喜びです。
要は甘い考えでは農業はおろか他産業でもやっていくことは難しいと言うことです。
詳しくはホームページにて♪

ここまでくると芽かきの次の段階で肩取り作業になってきますが、まだまだ芽かきを終わらせていないのと、今日のニュースで見た天気予報での霜注意報・・・
芽かきを終了なんてとんでもないです!
霜の脅威がある以上、最終形に芽を揃えてしまうと大変なことになります。
それ以前に芽かきは未だ途中です。
しかし、今年は夏のような陽気がきたと思えば例年以下の気温がやってきて季節は逆戻りなんてことの繰り返しで作業も一気に進められない事情があります。
農業が俄然注目される風潮ですが興味本位やリストラがないだの、自分のペースで仕事出来るという甘い誘惑に騙されて?農業を志す方がいるようですが甘い誘惑でやると痛い思いをします。
ボクは31歳という年齢で家業の農業を継ぎ、現在に至ってますが、元々農地があってある程度の知識と経験があったため、割と恵まれた環境で農業をやっているためにそれほど金銭的に困ることなく生活できていますが、これが一から始めると、少なくとも2〜3年ほどは無収入で暮らせるだけの貯金がないと新規就農は厳しいと言わざるを得ません。跡を継いだボクですら収穫するまでの1年は無収入で貯金で暮らしたのですから一から始めるともっと苦しいでしょうね。
どの作物を栽培するかにもよりますが、農業は他の産業に比べて準備資金がかかると思います。この点が新規就農を目指している若者にあまり理解されていないですね。
また、行政の援助も思ったほどありません。相談しても足蹴にされることもしばしばです。行政としたら税金の取れない農業を手厚くするよりは税金が取れる他産業を厚遇する方が自分たちに見返りがあるので自ずと農家には冷たくなります。農家も米だけが行政の支援が受けられると思った方がいいでしょう。
果樹や野菜は行政の支援は殆ど受けられません。たまに支援はありますが米ほどありません。
きついことばかりかいていますが、それでも、苦労した分の喜びは格別です。収穫の喜びは農家ならではの喜びです。
要は甘い考えでは農業はおろか他産業でもやっていくことは難しいと言うことです。
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2009年05月09日
久しぶりの更新
ホント、久々の更新です。
GW前から続くゴタゴタで未だに畑での作業の進展が殆どありません。
ボクが行けない分、父が行って作業をやってくれていますが一人での作業はやはり限界があるようです。
ボクはと言うと、子供が生まれたことで病院へのお見舞いで1週間通い詰めに退院後は妻の実家へ時々、顔を見に行ったり、それ以外は役所手続き等々・・・
そして、ようやく明日からと思いきや、明日は地区のかん役という作業会でかり出されるので一日駄目・・・
明後日から芽かきは再開です。
もうここまでくれば芽かきもどんどんとかいていかないといけません。
栄養分をすぐにでも集中させるようにしていかないと今後に影響してきます。
明後日からはこれまでの遅れを取り戻すべく、早朝から芽かきをして早めに終わらせないといけません。忙しくなりそうです。
それでも1週間に一度は妻の実家へ子供と妻の顔を見に行かないと行けないので毎週休みとまるでサラリーマンのような生活です。それも、あと1ヶ月程度ですが。
農繁期突入でブログ更新も滞りがちになるかと思いますが、少しでも多く作り手の情報を発信していけるように頑張ります。
それから今年度のチラシと名刺も業者に頼んでいたのが出来上がってきたので6月頃より挨拶行った先で配布してきます。
また、今年は新聞の折り込みチラシも考えていますので関東地方のほんの一部の地域(5000世帯)を目安に実施していきます。
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2009年05月03日
芽かきの一回目

ここ数日は子供が生まれたこともあってバタバタしていてブログアップも滞っていました。
実際、畑にもあまり行けていないです。
それでも、今日は畑に行って芽かきをしてきました。
芽も写真のように大きくなってすでに葉が開いているのを確認できる大きさです。この展葉枚数でこれからの作業は決まってきます。芽かきにしても空枝として残すにしても目安が展葉枚数が基準になってきます。
芽かきの作業ですが通常何回かに分けて行うのがオーソドックスなやり方です。一回で全てを終わらせるのではなく生育状態を見ながら進めていきます。
今は時期的に遅霜が心配されるので最終的に残す芽だけにしていくのは危険な行為です。長野県でも地域によりますが5月中旬くらいまではどこでも遅霜の危険がはらんでいると思います。
遅霜でせっかく出てきた芽もやられてしまうこともあるのでこの時期はまだまだ芽は多く残しておきます。こうしておくことで霜でやられる芽の中に霜にやられずに生き残った芽がこれから収穫まで頑張ってくれることになります。
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